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138)ブルックリン再訪

 再訪と言っても、ブルックリンを実際に訪ねたわけではありません。私の最愛の「夜の友」であるネットフリックスで最近2つのブルックリン関係の作品を観たのです。2022年に「ブルックリン・ナイン・ナイン」という、おバカキャラだけど優秀な新人警官が活躍する連続ドラマ、2023年初めには「マーダー・ミステリー」というブルックリンの刑事と美容師の妻が旅先で事件に巻き込まれるというコメディー映画です。この映画は続編もあるのですが、そちらの方も面白くて、つい夜更かしをしてしまいました。その刑事が家でくつろいでいる時のTシャツが胸にBrooklynの文字が書かれたものでした。実は私も一枚持ってます。

 このBrooklyn Tシャツは日本でも時々街で見かけることがありますが、世界中で流行っているみたいですね。でも、1980年代の初め、私が研修医としてブルックリンで働いていた時は、危険で汚いといったネガティブなイメージしかない街だったのです。しかし、ニューヨーク市の5区の中でも面積も人口も一番のブルックリン出身者は、郷土愛も一番なのです。私がNY時代に最初に観たブロードウェイ・ミュージカルはコーラス・ラインなのですが、これはブロードウェイを目指す若者たちの物語なのです。その中でオーディションの場面があるのですが、一人一人の若者が出身地を尋ねられるのです。そして、同郷の観客が拍手を送るのですが、ブルックリン出身と答えた黒人男性の時の拍手がダントツに大きかったのをいまだに覚えています。

 ブルックリンの人口は200万を超えているのですが、多いだけじゃなく、世界的な有名人もたくさんいます。例えは、マリリン・モンローと結婚したことでも有名な劇作家のアーサー・ミラー、天文学者で作家でもあったカール・セーガン(映画にもなった「コンタクト」が主著)、映画監督では問題作品も多いスパイク・リー、そして私が敬愛するウッディ・アレン(生まれはブロンクスですが)といった感じです。

 さて、これまで私が個人的に一番利用させてもらっているブルックリン出身の有名人を紹介します。元ヘビー級チャンピオンのプロボクサー、マイク・(カミツキ)・タイソンです。私がまだ大阪で開業医をしていた時のことです。近隣に女子高校があり、そこは当時外国人留学生が常時何名か在籍していました。ある日、数人のアメリカ人女子高校生が、健康診断で受診しました。私の診察室には、アメリカ時代の証書がいくつか架けられていたのですが、彼女らが目ざとく見つけたのが、ブルックリンでのレジデント研修終了の証書でした。「そうなんだよ。あのブルックリンで3年間の生活を俺はサバイブしたんだぜ。」みたいに語ると、大袈裟に感心してくれました。大阪人の性(さが)で笑いも取らないとと思い「マイク・タイソンはその頃はまだ無名のブルックリンの悪ガキで、ケンカの怪我でよく僕の外来に来たよ。」と言うと、「ウッソー!」みたいに結構本気?で驚いてくれました。直後にI’m just kidding you.(冗談だよ)とニヤッと笑うと、一斉に大爆笑してくれました。それ以来、米人相手にこのタイソン・ジョークをその場の雰囲気に合わせて適当に脚色して利用させてもらっています。Thank you, brother Mike!

追記:このブログを書き終えた少し後の2023年5月末に、ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーを観ました。マリオ関係のゲームは三人の息子は子供の頃よくやっていましたが、私自身はやったことはありません。産業医としてゲーム関係の会社に関わっているので、話題の一つとして観に行ったということです。しかし、そんな私でも映画として十分楽しめました。それと意外な発見がありました。マリオブラザーズは、ブルックリン在住のイタリア系アメリカ人だったのです。これには、ちょっとびっくりしました。ということで、マリオとルイージをブルックリン出身の有名人に追加します!

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木戸友幸
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