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144)日本の助っ人候補発見!

 2023年10月末の2週間、毎朝、日経朝刊を通勤前に買っている神戸六甲アイランドのアイランドセンター駅のファミリーマートが改装のため休業になってしまいました。そこで少し離れた、いつものファミマの、駅を挟んで反対側にある別のファミマに通いました。その別のファミマでちょっとした発見がありました。朝の通勤、通学前の買い物客が多い時は3人のレジ係がいるのですが、毎朝その2人あるいは3人全員が浅黒く精悍な顔つきのインド・パキスタン系の若者だったのです。ほとんどのこれら外国人店員が日本語も流暢で、マニュアル通りの対応だけではなく、臨機応変の対応も、慌てず正確な日本語でしてくれました。

 さて、このインド・パキスタン系の若者達ですが、私が週4回、六甲ライナーから阪神なんば線に乗り換える魚崎駅の連絡通路ですれ違うのですが、ここ数年その数がびっくりするほど増えているのです。最初、私は彼(彼女)らはインターナショナル・スクールのカナディアン・アカデミー(CA)の生徒だと思っていました。しかし、六甲アイランドの情報通の友人から聞くと、彼らのほとんどは、島内の専門学校であるアートカレッジ神戸のイラスト・デザイン科の生徒なのだそうです。そこからの類推で、ファミマの従業員もそこの生徒のバイトの可能性が高いと思います。私の勘違いはさておき、どの学校に通っているかは、彼らの能力というより親の経済力によると思うのです。実際、CAの授業料は専門学校のそれの10倍を軽く超えるのです。ですから、通っている学校は生徒自身の能力とはまた別物でしょう。

 そこで、はたと思いついたのは、このインド・パキスタン系の日本語が上手で日本生活にも適応した若者たちは、少子化で人口減少の一途を辿る日本の救世主になってくれる可能性を秘めているのではないかと。彼らの大多数は、英語に不自由はありません。また、CAの生徒にはないハングリー精神を持っていて、そのせいもあり日本語上達も早く、彼らにとって外国である日本ででも逞しく生きている印象があります。英語でstreet-wiseという表現があります。街の日々の生活で学んで実力をつけ、のし上がっていくといった意味です。彼らはいい意味で、まさにstreet-wiseです。

 神戸は、華僑と呼ばれる中華系、ロシア革命時に逃れてきた白系ロシア人など歴史的に見ても日本の都市の中で、明治の開国以来、外国人を多く受け入れ、その人たちが神戸に根付いていったという街なのです。インド・パキスタン系の若者たちも、神戸あるいは日本に役立つ人材になってくれる可能性を秘めていると、期待を込めて思った次第です。

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木戸友幸
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