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  南山堂「治療」2002年3月増刊号
(医)木戸医院 木戸友幸

外への紹介状、健康診断書など各種証明書の書き方は?
また代行システムがあるのか 教えてください。


 日本人医師にとって、海外への患者紹介状はかなり負担になるようで、筆者もしばしば知人の医師から、この件で質問や依頼を受けることがある。この際よく受ける質問 をいくつか挙げてみる。
1)外国語(主に英語)が苦手、2)文書の形式が分からない。 3)自分の名前を出して何か責任(訴訟などを含む)を負わされないか?4)制度が違 い、答えられない項目があるが、どうすればいいか?

そこで、このような厄介なものは、代行システムを使って、そこで作成してもらいたいという意見もある。しかし、全国的な代行システムというのは筆者の調べた限りでは存在しない。患者の紹介状は個人秘密の入った文書であるし、また個々まったく違 う、標準化しにくい文書であるから、代行はもともと難しい性質のものである。もし、代行システムが存在しても、主治医とそことのやり取りの複雑さを考えれば自分で作成する方がよほど簡単に済むように思える。

  まず、英語の問題であるが、文法的に正確な英語にあまりこだわらないほうがよいのではないだろうか。筆者は海外からの紹介状を目にすることが多いが、非英語国の医師からの英語の紹介状はかなり文法的にはひどいものが多く、英語が苦手という日本人医師の英語の方がよほど正確であるという印象を持っている。短いセンテンスで、誤解を生みにくい簡単な表現を使用すればまず大きな失敗はない。
文書の形式は、日本のお役所のものよりずっと簡単である。極端に言えば、日付と署名があり、その間に伝えたい内容が盛り込んであれば、公式文書として通用する。 (具体的に詳細に後述)

文書の責任問題であるが、もちろん公式文書であるから、それをもとに行なった医療行為で大きな事故が起きたりすれば、責任を取らされる可能性もある。しかし、これは医療に携わる者なら、国外、国内を問わず当たり前のことである。そうではあるが、 例えば訴訟の多いアメリカへの紹介状の内容がもとで、法的トラブルに巻き込まれたという事例は筆者の耳には届いたことはない。

 最後に制度の違いであるが、健康診断書の予防注射などがこの典型であろう。その国が要求する、注射回数に足りないことはよくある。その場合、必要ならば補足の説明 を加えればよい。


次に文書毎の各論を述べる。紹介状、健康診断書を含む証明書、資料請求あるいは照会の順に述べる。

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木戸友幸
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