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医学教育  


家庭医木戸の現場報告(1)
(JECCS News Letter 2016年4月号掲載)
JECCS生活習慣病研修会を振り返って

 木戸友幸

 かれこれ10年間、JECCSで生活習慣病研修会の司会を勤めています木戸です。2010年にJECCSの理事から引退し参与(何か隠居じいさんみたいな響きですが・・・)となった後は、この司会業も同時に引退できると思っていたのですが、ぜひ続けて欲しいと依頼されて現在に至っています。でも、この依頼は、私が司会者として優れているからではないのです。一般向けの研修会は毎月第二水曜の午後2時からですが、この時間帯に出務可能なのは、私のような開業医しかいないというただそれだけの理由なのです。しかし、10年間も主に一般市民の聴衆を相手に司会をしていると、聴衆に受けるコツのようなものが自然に身についてきたように感じます。この経験は、医師向けの講演会で私自身が講演したり、他の医師の講演の座長をしたり、あるいは木戸医院での診療の際にとさまざまな場面で役立っています。したがって、JECCSでの月一回の司会業は現在では、私の仕事上の大切な一部となっています。

  私自身のことはさておき、生活習慣病研修会の講演そのものの、この10年間の変化を検討してみたいと思います。一番強く感じるのは、この10年で講師の講演の手法が著しく洗練されてきたということです。最初の頃は、聴衆が非医師の一般人であるということがあまり周知されていなかったこともあり、英語ばかりのスライドや、難解な表やグラフばかりのスライドで、一般の人にはチンプンカンプンということがよくありました。しかし、ここ数年間は一般人が聴衆であることがいろいろなルートで知らされて、まずスライドが一般向けのものになりました。それと同時に、講演の組み立てに一般の人々が興味を持ってくれるような工夫がこらされるようになりました。事実の羅列ではなく、あるテーマに沿った流れのある話にするようになっているようです。また、笑いを誘うセンスのよいユーモアを交え、聴衆を飽きさせない工夫も多く見受けられるようになりました。

  というわけで、今回はこの10年間を振り返って生活習慣病研修会司会者としての感想をいくつか述べてみました。これから、このニュースレターに私の日々の診療での気づいたことを中心に、皆さんへのお手紙を書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。


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木戸友幸
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