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12)パリ生活の中での異文化コミュニケーション、その2

 フランスでは食も立派な文化です。日本でも有名なポール・ボキューズを初めとして、何人もの料理人がフランス国家から叙勲されています。

 私もフランス料理には目のないほうですから、パリ時代はフランス料理を存分に楽しみました。フランスでは、制度的にも食文化を守る工夫が凝らされています。質の高いフランス料理を食べるにはやはりある程度の出費は覚悟しないといけません。このために、比較的自由な出費が可能な自営業の人の経費には、接待として週に2回までレストランでの食事が認められているのです。私はアメリカン病院では、勤務医ではなくて、自営業の医師として開業していたのです。ですから、もちろんこの恩恵を受けることができました。実際は開業医として週2回も接待する必要もなければ、機会もなかったのです。しかし、税理士の説明によると、週2回は別にどんな理由で外食しても、それは経費として認められるのだそうです。もちろん、領収書にはそれらしい理由を書く必要はあります。私がその特権を最大限利用したことはもちろんのことです。

 星付きレストランは三ツ星を含めかなり征服することができ、満足感を味わいました。恐らく皆さんは、パリの三ツ星レストランだと目玉の飛び出るくらいの請求書をもらうと思っておられるでしょう。ところが、東京や大阪の超一流フレンチレストランと比べると、かなりお安いのです。ざっくりと言うと、一人1万円もあれば前菜と主菜の最小限ではありますが、ちゃんとした料理が頂けます。ここで注意しないといけないのは、この料金にはワインは含まれていないということです。ワインの値段は青天井です。料理の料金の何倍にもなることもあります。星付きレストランでは必ずソムリエがいるので、予算を正直に告げて、料理に合うワインで予算内のものを選んでもらうのが一番いい方法です。アルコールに弱い人は、例え星付きのフレンチレストランでミネラルウォーターを頼んでもまったく問題はありません。

 アメリカン病院で知り合った中年男性で、病院の設備修理専門の職員がいました。彼も典型的なフランス人で、グルメでワイン好きでした。しかし、彼の給料ではそうそう高級レストランで食事する余裕はありませんでした。それでも、グルメ貯金をして、数カ月に一度は星付きレストランで食事を楽しんでいました。この話を聴いて、やはりフランスは本物の食文化が根付いている国だなと感心した覚えがあります。

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木戸友幸
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