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166)上白石研究員の英語教室

 2025年の春にテレビで流れていた「サントリー特茶」のコマーシャルです。上白石萌音演ずる研究員が、本木雅弘にサントリー特茶の効用を説明するのですが、その効用にはevidenceがあるとういうところを本木雅弘が、evidenceを日本語の標準語発音でアクセントなしの平板に発音するのです。すると上白石研究員が、「エビデンスじゃなくて、évidenceです。」と最初のeにアクセントを置いた英語の発音に訂正するのです。

 これはまったくその通りで上白石研究員の訂正は正しいのです。以前から思っているのですが、英単語の日本語標準語(あるいは東京人の発音)の発音は、本来の英語のアクセントとまったく逆か、アクセントなしの平板な発音のことが多いようです。ところが、関西弁での英単語のアクセントは、その真逆で本来の英単語のアクセントと同じのことが多いのです。日本語での報道や新聞・雑誌記事によく出てくる英単語を5つ挙げてみます。1)ドキュメンタリー、2)クセス、3)コミュニティ、3)トレンド、3)デバリー これらは関西弁ではアクセントの位置は下線で示した英単語本来のアクセントとほぼ一致しています。しかし、東京人の発音ではアクセントなしのほぼ平板です。

 私は1980年代初頭の3年間をニューヨークで過ごしましたが、当時、米東海岸には日本人旅行者は今と比べ多くはなかったのですが、日本人が多く集まるピアノバーなどで、自信たっぷりに英語を声高で喋っているのは、圧倒的に関西人が多かったです。英語の通じ易さの決め手は、日本人が知っている単語数というより、むしろ各単語のアクセントの位置によることが多いようです。ですから、関西人は英語の語彙や文法能力が乏しくても、単語だけを繋ぎ合わせるだけでアメリカ人に理解してもらえることが多いようです。ところが、東京人が構文なしの単語だけで話しても、アクセントがない英単語は英語国民には通じにくいのです。まあ、関西人の物おじしない性格(厚かましいとも言えますが)も大いに関係しているとも思いますが。

 ということで、英単語のアクセントは英語国民とのコミュニケーションにとって重要な要素であることを、語ってみました。

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木戸友幸
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