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17)リバプールって知ってますか?

 スーザンとパットはリバプール出身の20代後半のイギリス人女性二人組でした。幼なじみで、日本に興味があり、これまでの貯金をはたいて一年間の予定で日本に留学というか遊学に来たということでした。

 彼女らが来院する時はいつも二人一緒でした。どちらかが、風邪をひいたり、下痢をしたりと、日常の軽い健康問題で何度か来院を繰り返していました。来院時に診療以外の雑談をするうちに結構親しくなっていきました。彼女らの日本滞在が半年ほどになったときに、パットのお父さんが来日することになりました。数週間の予定の観光旅行でした。彼は、高血圧と狭心症の持病があるので、何かあったときは宜しくと依頼されました。パットは、お父さんには「大阪に英語もちゃんと喋れる信頼おける先生がいるから、安心して旅行に来ていいよ。」と伝えてくれていました。

 お父さんは予定通り来日し、旅行も何の問題もなく楽しんでもらえました。一度、処方薬が足りなくなって、パット、スーザンと共に木戸医院に来院する機会がありました。人の良さそうなおじさんで、娘がお世話になっていますと、日本のお父さんと同じような丁寧な挨拶をされました。

 彼女らの日本遊学の1年間はあっという間に終わりに近付きました。最後の挨拶に二人揃って木戸医院を訪れてくれました。二人からこの1年間の親切へのお礼にとプレゼントを渡されました。それは6本の鉛筆でした。私はそのプレゼントのセンスの良さに感心しました。その鉛筆にはThe Beetles Story Albert Dock, Liverpool, Englandの文字がありました。

 我々の世代は、高校時代がビートルズの絶頂期で、ファンが多いのです。私もそのうちの一人です。彼女らがリバプール出身と伝えた時に、まず思い浮かべたのがビートルズのことでした。私の心は彼女らに読まれていたようです。

 しかし、世界中の我々世代の半分以上はビートルズファンのはずなので、この鉛筆は世界中のほとんどで受けるはずです。未だにリバプール、ひいてはイギリスに貢献しているビートルズは女王から勲章を貰うだけの価値があったわけです。

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木戸友幸
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