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36)六甲アイランドのセレブ外国人

 私はこの20数年間、神戸の六甲アイランドという人工島に住んでいます。この島の特徴の一つは、英語系の外国人が多く住んでいるということです。ですから、休日の朝、近くのタリーズ・コーヒーに入ると、何組もの外国人客がいて英語の会話が飛び交っています。その理由の一つは、幼稚園から高校まで完備したインターナショナル・スクールであるカナディアン・アカデミー島内にあることです。この学校については、後にご紹介します。

 さて、数多く住む外国人の中で一番のセレブは、この関西にあっては何と言っても阪神タイガースの外国人選手たちです。伝統的に阪神の外国人選手は、六アイ内の高級賃貸マンションに住むことになっているのです。バースまで遡ると、六アイはまだ整備されていなかったので、多分島内には住んでなかったと思いますが、90年くらい以降からはオマリー、パチョレック、アリアス、ブラゼル・・・とすべて島内に住んでいました。もちろんほとんどすべての島民は、このことを知っており、彼等とその家族のプライバシーを尊重して、むやみやたらに話しかけることはありません。しかし、活躍した試合の直後の週末などに、島内ですれ違った時に、声をかけハイタッチしたり握手したりすることはあったようです。

 ジョージ・アリアスは、ホームランバッターとして阪神で活躍した選手です。ホームラン数は多かったのですが、10対1で勝った試合でのだめ押しホームランとかが目立ったので、口の悪いファンからは「無駄打ちジョージ」などと呼ばれていました。そのジョージが東京ドームで値千金の逆転ホームランを打った翌日、六アイの映画館(随分前に営業不振で閉館)で彼とばったり遭遇しました。私は思わずHi, George.と呼びかけ、Nice homerun in Tokyo last night.と言うと、右手を高々と挙げて答えてくれました。

 ブラゼルも一時は、打率、ホームラン共に多く、強打者として活躍しましたが、2012年シーズン途中で解雇されました。そのシーズンの初めのゴールデンウィーク9連戦直前の事です。彼は不調に喘ぎながらも代打で登場していました。休日の朝、三男と一緒に島内のマクドナルドに朝食を食べに行きました。店内に入ると、目立たない隅の席にブラゼルとその家族が座っていました。食事は我々のほうが先に済んで、出る時に彼と目が会ったのです。そこで、彼の席のほうに近寄り、Hi, Mr Brazel, I’m a fan of Hanshin Tigers. I pray for 9 consecutive wins of Tigers during the golden week. と言って右手を差し出すと、力強く握手してくれました。翌日テレビでの試合中継を観ていると、いい場面でブラゼルが代打で出てきました。ところが凡打で阪神は負けてしまいました。もしあそこで逆転打を打って勝っていたら、ヒーローインタビューで、前日の出来事を語ってくれていたかも知れませんね。残念!

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木戸友幸
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