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日本医療隊チーム紹介

 日本医療隊は総勢9人からなるチームです。その内訳は、外務省から出向の本職の外交官2人、医師2人、看護師2人、調整員3人でした。2人の外交官のうち上司のKさんは隊のスポークスマン的な役割も兼ねているようで、取材があると必ず彼が応じていました。一度、米軍機関紙であるスターズ・アンド・ストライプスから電話取材があったのですが、その時はKさんから私も取材に応じるように言われて電話口に出ました。Kさんが流暢な英語で答えた直後だったので、比較されそうで嫌だったのですが、何とか取材に応じることが出来ました。部下のほうのIさんは、アラビア語の達人で、サウジアラビア人とはすべてアラビア語で接していました。

 看護師のSさんはチームの紅一点でした(もう1人の看護師は男性)。彼女は東京の某病院のベテラン看護師なのですが、随分前から海外の医療援助に携わっており、この分野での経験は豊富です。彼女はサウジから帰国後、現天皇に皇居に招かれ海外医療援助に関するレクチャーをしたそうです。そういう豪傑ですから、先遣隊隊長寺本さんから、「木戸君、チームをまとめるには、まずSさんを攻略することだよ。」とアドバイスをもらっていました。しかし、Sさんは個人的には非常にいい人で、一緒にやっていくに当り何の問題もありませんでした。

  調整員の中で最も目立っていた(悪い意味でですが)のは、Mさんでした。彼はチームの中では一番年上で、50前くらいだったと思います。彼も履歴は立派で、これまで何度もこの種の海外援助のチームに加わっているのです。しかし、英語に難点があり、先遣隊の時も何度も調整員としての仕事で小さなミスを重ねていたそうです。私が来てからも、ある会合をレストランで開くため、彼が予約をとったのですが、参加人数に大きなミスがありました。こんな事件もありました。ベストセラーの某旅行本のサウジ版の部分執筆依頼を彼が今回引き受け、自由時間にその取材をしているとの噂が流れました。これは、国費で来ている医療隊としては放っておけないことなので、確かめると事実だったので、その仕事は止めてもらいました。
Mさんのような海外援助ゴロ的な人物はときどきいるそうなので、こういう情報のフィードバックは大切だと思った次第です。

他のメンバーの具体的な紹介は、話が進むうちにその都度していきます。

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木戸友幸
mail:kidot@momo.so-net.ne.jp