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World Trade Center (WTC )の思いで

 2001年9月11日、WTCがマンハッタンから消滅してしまいました。やり切れないおもいです。
鎮魂の思いで、WTCにかかわる思いでをつづってみます。

ニューヨークでレジデント生活を送った3年間の後半2年間は、アパートのあるマンハッ タンと病院のあるブルックリンを車で往復していました。夕方、ブルックリンからブルックリン橋を渡り、マンハッタンに向かうと真正面にWTCがそびえ立ち、あたかも仕事に疲れた僕を優しく迎えてくれるようでした。毎日この儀式を繰り返していると、さまざまなWTCの顔を見ることになりました。初夏のある雨上がりの夕方のことでした。WTCの上三分の二に雲がかかっており、その上は雲からビルのてっぺんが顔を出していたのでした。初夏のさわやかな雨上がり の夕暮時の、この幻想的な光景に僕は一瞬うっとりなって、車の速度を少し落とし、 出来るだけこの光景を長く瞳に焼き付けておこうと思ったくらいでした。

WTCの最上階にあるレストラン、Wndows of The Worldにもよく行きました。 ここは、誰でも知っている、NY名所だし、レストランのサービスがいかにもNY的で洗練されて いるので、NY以外のアメリカ各地からの客や、日本からの訪問者を連れて何回も行きました。背筋のピンと伸びた正装の黒人美女が客をテーブルまで案内するのですが、 これがいかにもニューヨーク的なサービスで、連れていった皆にも喜ばれたし、僕の記憶にもしっかり焼き付いています。

WTCのてっぺんは確かに見晴らしはいいのですが、そこからはWTC自身を眺めることは出来ません。WTCそのものの眺めは、ブルックリン橋のブルックリン側の袂にある、 リバー・カフェというレストランからのものが一番です。ここにも、友人や訪問客と ともによく行ったものです。リバー、カフェの窓側の席からの、イースト・リバー越 しのWTCを含めた、マンハッタン南端のスカイラインの夜景はこの世のものとも思えないほど妖しい美しさを放っていました。

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木戸友幸
mail:kidot@momo.so-net.ne.jp