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ブルックリンvsマンハッタン

 ブルックリンとマンハッタンは、古くからのライバルで、これまでいろんな形で張りあってきました。野球の世界では、今はLAに行ってしまったドジャーズはもともとブ ルックリンのチームだったんですよ。マンハッタンのチームは御存知ヤンキースです。このニューヨークの2チームは昔は宿命のライバルでした。両者とも好チームで、数えきれないほどのリーグ優勝をしたのです。だからワールドシリーズでの対戦カードは記録では、この2チームのものが一番多いはずです。

 映画や舞台の世界でも、ブルックリンとマンハッタンに関する話題がよく登場します。でも、この場合はたいていが、ブルックリンの無名の若者がマンハッタンで一旗揚げるといったパターンのものです。例えば、ディスコブームの火付け役になったジョン・ トラボルタのサタデーナイトフィーバー。あれは、ブルックリンの若代将のトラボルタが土曜の夜ごとマンハッタンのディスコで活躍する話ですね。やはり、華やかな舞台はマンハッタンなので、こういう展開に成らざるを得ません。
これはビジネスの世界でも同様で、ブルックリンで商売をしている人は、ちょっと野心があれば、小金を儲けて、いつかはマンハッタンに進出することを夢見ています。でも、ブルックリンはマンハッタンに比べ定住人口は多いので、それだけ郷土意識も強いんです。だから、有名になって出身を聞かれたときも、決してニューヨーク出身とは言いません。I'm from Brooklyn, New York.と答えます。因みにマンハッタン出身の人は単にI'm from New York.と答えます。ブロードウェイでコーラスラインという何年もロングランを続けたミュージカルがあったのを覚えていますか?ブロードウェ イを目指す若者達を描いた劇中劇のようなミュージカルなのですが、その中で、オー ディションで各人がインタビューされる場面があります。出身地を一人づつが答えて いきますが、もちろんブルックリン出身の若者もいて、その人がI'm from Brooklyn. と答えると客席がワッと湧きます。もちろん、ブルックリン人からの声援なのです。

 僕自身は、職場がブルックリンの病院で、住んでいたのがマンハッタンということなので、状況に応じて出身地?を使い分けています。アメリカ人の患者は今でも時々診ますが、患者にどこでトレーニングを受けたかを尋ねられたときは、ブルックリンと 答える方がインパクトがあることは確かです。普通のアメリカ人にとっても、ブルックリンの病院で3年間、レジデントとして生き延びることは非常にタフなことなのです。だから、ニコニコ笑いながら、ブルックリンで3年間過ごしましたと言うと、少 なくともタフな人間だと思われます。その後、「マイク・タイソンも僕の患者でした 。」と、さりげなく付け加えてウィンクでもすればお茶目さも出て、もっと効果的で す。

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木戸友幸
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