ブルックリンこぼれ話(9) 
                
               
              スマイル 
                
                 マクドナルドの宣伝にスマイル0円というのが昔ありましたね。でも、ニューヨークに住むとスマイルがタダではないことがよく分かります。ブルックリンでもマンハッ 
                タンでも、マクドナルドやその手のファーストフード・レストランに入って、店員からにっこりされた記憶は一度もありません。何故か、皆、怒ったような無愛想な顔をしています。もちろん、ニューヨークでも高級レストランでは、にっこり微笑まれることの方が多いです。ですから、ニューヨークではスマイルにはお金がかかるのです。
                
                滞米2年目に、外国人のための開業医試験(FLEX)を受けるためにニュージャージー 州のトレントンという街に行ったことがあります。この試験は3日間にわたってあるので、当地のハワード・ジョンソンという大衆モーテルに宿をとりました。トレントンは一応ニュージャージー州の州都なのですが、森の中にある地方都市という風情です。さて、この宿で食事をとるためにレストランに入りました。若い白人のウェイトレスが注文を取りに来ました。その時、彼女が僕に話しかけながらニコッと微笑んだのです。若い女性のスマイルが、この時ほど新鮮な驚きに感じられたことはありません。この話をブルックリンの病院の仲間にすると、「トモユキ、ニューヨークはアメ 
                リカじゃないんだよ。ここ以外のアメリカでは、接客業にスマイルは常識だよ。」と 言われてしまいました。 
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