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ブロードウェイの思い出

 ミュージカルは、日本で生活していた時は縁もゆかりもないものでした。でも、まあ話の種にと思って最初に観に行ったのが、あのロングラン記録を作った「コーラス・ ライン」でした。正直言って、その頃まだあまりセリフも十分には聞き取れなかったので、楽しんだというにはほど遠かったのですが、ダンスや歌はド迫力で、また観たいなとは思いました。

ニューヨーカーでもそうなのですが、ブロードウェイ・ミュージカルはNYC見物の不可欠の定番で、誰か客がNYCを訪ねてきたら一緒に観に行くとパターンが多いのです。ですから、「42nd ストリート」は母と妹が訪ねてきたとき、「エビータ」はサクラメントの友人が訪Nしたとき、「キャッツ」は父が来たときに観ました。
後者二人は、開演前にすし屋で飲んだピールの回りが良すぎて、隣でいびきをかかれて困っ たことを覚えています。

後年、パリであのライザ・ミネリの出世作「キャバレー」を観たことがあります。このとき、ライザのやった主役を演じたのは、新人のアメリカ人で黒人女性でした。セ リフも歌も上手なフランス語でした。演技もこなれていて、カーテンコールの時、その主役は感極まって泣き出してしまいました。普通、ブロードウェイでこの状況だと、 スタンディング・オベーション(総立ち拍手)なのですが、パリッ子はあまりミュージカルに慣れてなく、立ち上がったのは2〜3割の観客でした。このあたり、観客を含 めた雰囲気はやはりブロードウェイが一枚上手だなという印象でした。

アメリカから帰国してから後、一度用事でNYCを訪ねた折りに、当日チケットを手に入れて「ミス・サイゴン」を観たことがあります。あのストーリーはプッチーニの オペラ「マダム・バタフライ」の現代版リメイクなんですね。オペラと違い、ミュー ジカルで悲劇は少ないのですが、僕は嫌いじゃないです。あの舞台装置のヘリコプター 、サイゴン最後の日の脱出用のヘリなんですね。70年当時、新聞、雑誌に随分写真が載りましたよね。あのヘリはベトナム戦争の象徴として効いてたと思います。
以上、ミュージカルにまつわるとりとめもない話でした。

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木戸友幸
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