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CD

 CD、そうコンパクト・ディスクのことです。このCDがいつ頃から世間に出回るようになったかを皆さんご存知ですか?答えは80年代初頭です。僕がブルックリンでレジデント研修を始めた頃なのです。
どうしてそんなことを知っているかって?
それは、病院の行き帰りの車の中でFMを聞いていると、曲の最後にときどきこの曲はコンパクト・ディスクでの録音ですという注釈が入るようになったのがこの頃なのです。それだけでは、記憶に残るほどのインパクトはないのですが、あるもう一つのことがあったのです。
アメリカの大都市のFM局はジャンル別になっていて、ある局ではロック、他局ではカントリーと局によって流れている曲のジャンルがまったく違うのです。そこで、ちょっと気持ちを落ち着けたいときは、クラシックの専門局をよく聞いていました。クラシック曲の最後には、必ずオーケストラの名を伝えますが、それが当時、やたら日本のオーケストラが多かったのです。
例えば、東京フィルハー モニック・オーケストラの名前が突然、アメリカ人アナウンサーの声で伝えられると ちょっと意外に感じます。で、そういう日本のオーケストラの演奏のものは必ずといっていいほどCD録音なのです。

 振り返って考えると、からくりはこういうことだったのだと思います。
CDの技術は80年代初頭に日本で開発され実用化された。CDに録音される楽曲は、初期の頃は、音にうるさいクラシックが圧倒的に多かった。そこで、日本のオーケストラにより演奏されたものがCDに録音され全世界に輸出されたという筋書きです。 あれから20数年経って、あの当時珍しかったCDも、もはや他の録音媒体に主役を取って代われつつある時代に入っています。こういう分野の目まぐるしい変化と比較し て、日本の医療の変化(望むらくは改善)があまりにも遅いのは否めません。

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木戸友幸
mail:kidot@momo.so-net.ne.jp