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L'ETE 1975  

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5)クラス開始
 私が事前テストの結果で編入されたクラスは、中級クラスで初歩の文法や基本的な語彙を既に学んでいる人たちにちょうどいいクラスでした。
教材はCREDIFを主に使いました。CREDIFはスライドと音声で、フランス生活のさまざまな場面を紹介しながら、文法や語彙を学ばせるというシステムです。これに似た教材を大阪日仏学院でも使っていたので、違和感はありませんでした。大阪で学んでいた時との違いは、テストの多さでした。理解度をチェックするために、数日に一度テストがありました。結果はスペイン人のカルメンが常に一位で、タイ人のプンサックと私が二位、三位を争っていました。

 CREDIFを使っての勉強の他にも、いろいろなトレーニングがありました。ミリエルが朗読するフランス語を我々が書き取り、それを後で赤ペンでチェックされるディクテ。作文もありました。あるテーマを与えられて、翌日までにフランス語で作文して提出するのです。昔の有名なシャンソンをテープで聴かされ、内容の解説を受けたうえで、自分でも歌う練習をするという楽しい授業もありました。

 CREDIFを使っての授業中でも、教材から少し離れて、そのテーマに沿った自由討論をすることもよくありました。こういう時には、カルメン、プンサック、トモユキといったテストの上位組より、ベネズエラ軍団が圧倒的な存在感を見せました。彼等は、少々文法がおかしかろうが、臆せずにどんどん自分の主張を述べます。この積極性は、国際社会で生き延びないといけない日本人は見習わないといけないものだと当時の私は、彼等のしつこさに少々辟易としながらも思ったものでした。


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木戸友幸
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