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129)Be water, my friend.

 87) 「ハリウッド映画のアジア人」でご紹介した私のヒーローの一人ブルース・リーの人生哲学を詳細に描いた「Be water, my friend」を2021年末から2022年春にかけて読みました。この本はブルースが急死した時まだ4歳だった彼の娘のシャノン・リーが書いています。その彼女は現在Bruce Lee Foundationの会長を務めているのです。

 シャノンの4歳年上の兄ブランドンは俳優だったのですが、28歳で撮影中の事故で死亡します。父の死に続く兄の夭逝により彼女は長い鬱(うつ)の時代を経験します。その鬱から解放されるための手段の一つとして彼女は、父ブルースの短かったが充実した生き様を検証しようとしたのです。母リンダにも生前の父のことを色々尋ねました。またブルースは筆まめで、その時々の考えや将来の計画を文章に残していたのです。それらをシャノンなりにまとめ、彼女の解説を加えたのが本書です。Be waterというのは、文字通り水のように柔軟に旧来の型に拘らず柔軟に生きようという意味なのです。しかし、これは日和見主義や付和雷同ということでは決してありません。武道においては、地道な練習によりまず自己の型を作り上げます。しかし、試合に入れば勝負のシナリオなどは絶対に考えたらダメということなのです。試合の流れ、相手の動きに自然に体を反応させるのです。「考える」のではなく「感じる」のです。これは武道だけではなく、人の生き方にも応用できると、ブルースは書き残しています。

 当ブログ87回の冒頭に出てくる、Don’t think, feel!(考えるな、感じろ!)はEnter the dragon の一場面に出てくるのですが、この時、ブルースに指導を受けている弟子はLaoという名前なのです。ということで、このセリフの出てくる場面はLao’s Timeという名前があるのです。この本の中でもLao’s Timeという一節が設けられ、ブルース師匠とラオ少年の会話がそのまま書かれています。Lao’s time・Enter the DragonでググってもらうとYoutubeで映画のその場面を見ることができます。1970年台初頭にこの映画に熱狂された我が同輩諸君はきっと共感していただけると思います。若い世代もそれなりに興味を持ってもらえるかな?興味を持たれたら、英語の勉強も兼ねて、ぜひご一読を。カジュアルな英語表現で、読み易いです。

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木戸友幸
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